となりのしばふ

日々の記録と内省と

雑記230104

12月末から老猫の調子が悪い。12月20日前後にごはんをまったく食べなくなり、トイレに出たり入ったりを繰り返す。動物病院に連れて行ったら、膀胱炎の疑いとのことで、注射を打って薬をもらって様子見。するとトイレは落ち着いたものの、とにかく食べない。猫はとつぜん嗜好が変わることもあるとの情報から、別の種類のカリカリやパウチのレトルトを並べてみたけれど、口をつけない。猫がそんな状態のなか、外は不要不急の外出を避けろと注意喚起されるほどの大雪。除雪が間に合わず、どこもかしこも道路は一方通行ほど狭くなり、圧雪でガタガタ。普段は車で5分のスーパーに行くにも難儀する始末で、とても動物病院にたどり着けそうもない。この大雪が解消する前に死んでしまっても、それもこの子の天命だったとKさんと覚悟を決めたのだけど、彼女自身は少し痩せたものの何にも食べない状態でわりとケロッと生きていて、年の瀬が迫るなか無事に動物病院で診てもらうことができた。詳細な血液検査の結果、年齢のせいもあり腎臓が弱っているとのことで、腎臓の薬と食欲増進剤を処方してもらった。この食欲増進剤、もとは動物の精神安定剤だそうで、副作用でぼんやりしたりふらついたりという症状が出たのだけど、これが効果てきめん。食欲にムラはあれどとりあえず食べるようにはなって、大きな問題はなく年を越すことができた。ところが私が仕事始めの今朝、またトイレを出たり入ったりのそわそわが始まる。水もごはんもあまり摂っていない。動物病院は明日からなので、今日は膀胱炎の時に処方された薬を飲ませるしかなく、後ろ髪を引かれながらKさんにあとを任せて出社してきた。

御年16才。人間に換算すると80才以上のおばあちゃんだ。思い返せば、ここまで病気らしい病気もせず、静かに生きて日常の一部になっているのがこの猫だった。そういう猫だったからこそ、彼女の調子が悪いと日常全部が傾いてしまったような気になる。ごはんを食べる、水を飲む、うんちをする、おしっこをする、そういう生き物として当たり前のことをいちいち確認して、安心して、でも次はどうだろうと不安になる。彼女の腎臓は病気で弱っているわけではなく、年齢とともに機能が落ちてきているとのことで、それはつまり治ることはないということだ。だから一喜一憂するのはやめようと思っているのに、してしまう。とてもとても不安定だ、私が。一度は、年が明けるまでは保たないだろうと思った。けれど生きている。今度は春まで保ってほしい。そうやって夏まで、秋までとだんだん伸びて、今年も一緒に年を越したい。もうちょっと、どうにかならないだろうか。でも(そんな様子もないのだけど)実はどこかが痛いとか苦しいとかそういう状態だったとき、この願いが彼女の苦痛を長引かせるものであってほしくない。別れのときが近いなら、どうかあたたかいところでぬくぬくごろごろしながらゆっくり過ごしてほしいし、大好きな場所で眠るように逝ってほしい。年末年始、二年参りでも自宅神棚でも、手を合わせるときそんなことばかり祈っている。