となりのしばふ

日々の記録と内省と

雑記2024.1

年明け早々、大きな地震が起こった。県をひとつまたいで隣の、私が住んでいる地域もかなり揺れた。県内は液状化になった一部を除けば大きな被害はなかったようだけれど、奥能登のように生活再建が難しくなってしまった地域のことを思うと胸が痛い。この寒い時期に身一つで避難しなければならないのも大変だ。避難している方々が、せめてあたたかい場所であたたかい食べ物を食べてゆっくり休めますように。

私は測量設計にかかわる仕事に従事しているのでありますが、今回の災害は被害甚大かつ地元業者も被災しているとあって、弊社にも1月中旬には同業者の協会から応援要請が来ていた。ライフラインが復旧していないので水とか簡易トイレとか発電機とかスペアタイヤとか持ってきてね、との仮通達に戦々恐々としながら正式な要請を待っていたところ、2月に入る頃に追加で、ようやく全体の被害状況が把握できてきたのだけど宿泊施設もないしとりあえず日帰りできる隣県の業者に声をかけたから隣々県はもうちょっと待ってね、との通達が回り、今はなんだか宙ぶらりんで通常業務にあたっている。

そんな風に気もそぞろなせいか、1月はあっという間に終わってしまった。写真は、すでに遠い記憶の初詣の参道。空気のキンと冷えた雪の早朝に、家族の健康と、被災した方々の無事と、高校受験を控えた姪のことを考えて柏手を打った。今年もよろしくお願いします。

雑記2023.12

231204

最近急に食べられる量が減った。食欲がないわけではないのだけれど、欲望のままに食べると具合が悪くなったり満腹が続いて次の食事が食べられなかったりする。平日の昼食はおにぎり1個+味噌汁という献立に固定されていて、過去の経験からもこれ以上に食べるとヤバいということは重々承知しているのに、土曜昼は解放感にまかせて暴食しがちで(暴食という言葉を使っているがパン2個とかの話である)、結果、具合を悪くして日曜夜まで気分が優れない…というような愚行を毎週くり返している。腹八分目というのは本当に難しい。

231206

今年から猫の通院が月一になったため、出番の増えた通院用キャリーを新調したいと夏頃から思っていたところ、先日ようやく納得できる型のものが見付かってAmazonで注文した。後日、届いた品物を見てびっくり。キャリー蓋部分のプラスチックが大きく割れていた。通販は時々利用するけれど不良品が手元に届いたのは初めてで、これは販売者に連絡して返品交換してもらわなければとオロオロしながらカスタマーセンターにアクセスし、返品手続きを開始。これが拍子抜けするくらい簡単でした。画面上の案内に沿っていくつかの項目を選択するだけ。破損部分の画像を送ってと言われるかと思い写真も撮っておいたのだけれど、品物の状態の確認も何もない。どうも販売業者・配送業者・購入者間の責任の所在はどうでもよくて、何もかも返金で対応するからとりあえず品物を返送しといて、ということらしい。品物を返送し確認が取れたら返金されるとのことなので、早速翌日にクロネコヤマトに持ち込んでこちらのタスクは終了。2日後に返金しましたのメールが届いた。迅速~。しかしこういう手続きって、もう人と人とのコミュニケーションは必要ないのだなあ。

231211

12月に入ると年賀状を作らないと…と気が焦る。職場の皆さんと惰性で送りあっている十数枚と親しい友人たちに送る数枚の計20枚程度。数年前までは気が向けば消しゴム判子で作ってみたりしていたのだけれど、ここ2,3年は仕事納めの後に市販のものを買ってきて一言書き添え、あわてて投函していた。しかし今年は早くもネットプリントにお願いして手配が完了している。選べるデザインが豊富で添える一言も個人ごとに書き換えられたり、自由に編集が出来るところが多くて案外よかった。職場用には当たり障りのない絵柄を選んだけれど、犬飼の先輩と友人には別で素朴な柄の写真が入れられるものを選び、渾身のかわいい猫写真を入れた。先輩から愛犬の年賀状をもらうたびに、やってみたいと思っていた夢が叶った。出来上がってくるのが楽しみ。

231224

本日、クリスマスイブ。街には若者や家族連れがあふれてケーキ屋さんと某チキン屋さんなどは大忙しなんだろうな、などと考えながら図書館へ行く。年の瀬も差し迫った今日この頃、京極夏彦先生の百鬼夜行シリーズに夢中になっている。兄がこのシリーズの大ファンだったので小学生の頃に5冊目まで一度通読してはいるのだけれど、当時は半分くらいわからなかった。たしかに戦後の情勢とか心理学とか男女のあれそれとか小学生が読むには早すぎる内容で、三十路を迎えた今だからこそしみじみ「面白い…!」となっているのだと思う。文庫が鈍器みたいな分厚さをしているので敬遠されがちなようだけれど、文章は軽妙で案外サクサク読み進められるから読んでみてほしい。私はこの不穏と血生臭さをお供に年末年始を迎える予定です。

231225

賞与が出るとハーゲンダッツのミニカップアソートパックを買って帰ることにしている。この年末も無事にハーゲンダッツが冷凍庫に納められました。

231226

2023年ももう幾日かで終わるので、写真フォルダの整理をした。以下、撮ったもののどこにも載せなかった写真まとめ。

友人と食べたパフェやら焼き菓子やら。いくつになっても甘味が好き。生来の出不精ではありますが、連れ出してくれる友人たちのおかげでおいしいものが食べられたりきれいな景色が見られたりしています。感謝。

仕事で分け入った山で見つけた道路標識。よーく見ると真ん中の木に埋もれている。

定時上がりに浮かれて撮った夕焼け。「すごくきれい!」とワタワタとスマホを起動しているうちに雲の形が変わっていって、「なんか違う」になった画像。

その他。食べ物と植物に興味の大半を持っていかれているのがよくわかる。観葉植物や多肉植物はパブリックスペースに展示されていたもので、自室をこんな感じにできたら素敵だなという憧れ兼お手本。

231229

今年の振り返りとして1年前の記事を見返す。

去年の今頃から新年にかけて、猫の具合が悪くて気が気じゃなかった。件の老猫、毎日お薬を飲みながら今日も元気に生きている。ご飯を食べなくなって痩せすぎて通院の度に栄養剤注射のうえ体重測定をされていたのが、最近は見た目にもふくよかなので触診だけで体重計にすら乗せられなくなった。若いころと比べれば眠っている時間は長くなってきたけれど、膝の上で甘え、なでてとねだり、お外が見たい窓開けて、お布団に入れて、水が冷たいお湯にしてと数々の要求をしてくるあたり猫としてはまだまだ現役だぞという気概がみえる。老い先短いから…と甘やかしまくっているのだけれど、できれば来年も再来年も一緒に年を越してほしい。

それから今年から記録を始めた読書ノートは細々と書き続けている。2023年は55冊読んだ。1ヵ月平均4冊と思えば、そこそこ読書家と言ってもいいのではないでしょうか。個人的ベスト3は、瀬尾まいこ「そして、バトンは渡された」、小川洋子「貴婦人Aの蘇生」、恒川光太郎「滅びの園」。先の2冊は読後感ほっこりあたたか、最後は達成感と虚無感がグッと刺さってしばらく抜けなかった1冊。

運動面については何も書くまい。平日朝の骨盤矯正ストレッチは日課になっているので良しとする。今後はもうちょっと運動強度を上げたい。

さて来年の抱負。今年から仕事が完全週休2日になり喜んでいたのに、思い起こせば自発的に外に出ない1年だった。夏頃に一度日帰り富山旅行の計画したこともあったのだけど、台風で頓挫して行かなかったのだった。雪が解けて気候が穏やかになったら、再計画して富山に行ってみたい。比較的近い東北・北陸あたりにも、目的をひとつかふたつ決めて、ふらりと遊びに行ってみたい。2024年はそういう行きたい、やりたいの気持ちを熱いうちに実行する癖をつける年にします。

この年末年始は例年に比べて気温が高く、雪と格闘しなくても良さそうでほっとしている。皆さま、穏やかで明るい新年をお迎えください。

雑記2023.11

日記とするには些末な日常の連続で、それならその些末をまとめて更新しようかと思うなどして試験運用。

231103

3連休の初日、紅葉を見に行く。世間も連休に浮かれているのか高速にも県外ナンバーが目立つ。観光地最寄りの駐車場で隣の車が沼津ナンバーだったので「沼津!」と大声を出したところちょうどドライバーさんが戻ってきて「沼津です」と笑いかけられちょっと恥ずかしくもほっこりした。観光地に行くと全然知らない人と話す機会が多くなる現象、あると思う。自宅付近の木々はまだ青々としていて、目的地はいくら標高が高いとはいえ紅葉には早いのではないかと思っていたのだけれど、着いてみれば現地は晩秋。木々の葉はほぼ落ちて、あとは雪が降るのを待つばかり、といった様子に目を背けていた11月を感じた。行楽は天候に左右される。この日は一日中秋晴れで、枯れ葉散るなか枝にしがみついている紅葉も鮮やかに見えた。

231109

たしか社会人5年目だったと思うが、時代の流れに逆行するように喫煙者になった。きっかけは何だったのか忘れてしまったけれど、これから子どもを産む気もなく健康体で長生きする気もないからというのは当時から一貫していて考えていることで、一日3~5本をちまちまと吸い続けている。平日は決まって朝食後と帰宅後と就寝前に吸う。煙草はオンとオフの切替えで、それはスイッチのようにパチンと切り替わるのではなく、燃え尽きるまでの時間でゆっくりフェードインさせたりフェードアウトさせている感じが近いと思う。最近、寒くなってきたのでメンソールの入っているものから入っていないものに変えた。換気扇下のオレンジの照明の中、ゆるやかに溶ける煙は、秋から冬にかけての夜が一番きれいに見える。

231111

Ittala展に行く。フィンランドイッタラ村のガラス工場から始まったからIttalaであることも知らずにのこのこと見に行った素人にも、歴史やデザインの変遷がよくわかる良い展示だった。個人的にはIttalaというと、カイ・フランクのカルティオのようなシンプルかつスタンダードなイメージだったのだけど、デザイナーによって形質が全然違うし、それも全部Ittalaとして内包している。ところで、この展示でタピオ・ヴィルカラのウルティマ・ツーレ・シリーズがとても好きになってしまった。本当に自然の中で凍った氷でできているみたい。なんとなく、この人はこれを作るために自然の現象を研究したのではなく、すごく長い時間をあたりまえに自然の中で過ごしていて、水中で生まれた泡が水面ではじけるとか、冬に木々が凍って春に解けるとか、そういう自分の周りであたりまえに起こることをただただ実直に器にしたのだなあと感じた。

231115

背負わされている仕事の何個かのうちひとつが無事に終わったので、気が大きくなり缶チューハイを飲み、具合が悪くなって飲んだことを後悔した。いつも通りである。体質的に向いておらず、お酒が飲めない。200mlのビールでも気持ち悪くなり頭痛と筋肉痛のような症状が出て、縦になっていられなくなる。ところが故郷が清酒消費量全国1位、日本酒製造量全国3位という土地なので、飲み会が多く酒飲みも多く、酒が飲める人の地位が高い(と思っている)。毎日の晩酌に3リットルのビールを飲む上司と話していたら「酒が飲めない者は少量の酒で具合が悪くなるので楽しくなったり気持ちよくなったりしたことがない」という事情をまっったく把握していなかったので懇々と説明して差し上げたことがある。アレルギーには配慮されるのに、あの酒という劇物に関して全く配慮がされないのはなぜなのか。しかし私も20代の頃は飲み会の場で飲まないという選択ができず、飲んでいればだんだん耐性が付いてくるという俗説も手伝って、無理に杯を重ねたりN次会まで参加して目も当てられないことになったりもした。だけど私ももう若手というくくりにはおさまらない感じの年齢になった。これからは自分の身体のためにも、積極的に飲まないという宣言をしていきたいし、それが許容される世の中になってほしい。

231119

カンパーニュにハマっている。とあるカフェのカンパーニュの生ハムサンドに衝撃を受けたのがきっかけだった。「あのパン屋のカンパーニュがおいしい」と聞いて市外まで足を延ばすことも増えた。カンパーニュはバゲットと比べて酸味や粘り気がある。私はおやつのように食べるので、ドライフルーツやナッツの入っているのが好き。レーズンとクルミのようなスタンダードから、柿と梨とクリームチーズなんていう季節に合わせた変わり種もあって、飽きないのも良い。

231123

友人から佐渡においしいパン屋さんがあるらしいとの話を聞いた。検索してみると、外国人の旦那さんと日本人の奥さんのご夫婦がやっているパン屋さんで、ちょうどこの祝日に市内のカフェにポップアップストアを出すとのことで行ってみることにした。アップルパイが名物で、すぐに売り切れるらしいので予約をする。季節柄、シュトーレンも出品していたのでこちらも予約。他のパンも見たかったので開店10分前に到着するように出発したのだけど、まだ店舗が見えないうちから人、人、人の大行列。まさかこれパン屋の列?と疑いながらも最後尾に並び、すぐに漏れ聞こえてくる雑談からこれがパン屋の列で間違いないことを確信する。ざっと見積もって私の前に100人くらい並んでいる。今回のパン屋さんはまさに知る人ぞ知るという感じでメディア露出も少ない方だと思うのだけれど、皆さんアンテナの張り方が広い。どこで情報を得ているんだろう。早々に並ぶのに飽きてアーケードの中で遊び回る幼児たちを眺めながら待つこと2時間弱。ついに順番が回ってきた。店主のご夫婦が明るく気さくな方たちで、初めての私にも常連さんのように声をかけてくれてうれしくなった。クロワッサン、ベーグル、バナナケーキ、カンパーニュ、特設の棚に並べられたパンは全部食べてみたいけれど、胃には限界があるので限られた時間で迷いに迷う(ここでバナナケーキを断念したことをいまだに悔いている)。所用で来られなかった友人の分も含め、予約のアップルパイ、シュトーレン、その他の会計を済ませ、品物を受け取ったその時「重っ…」と小さく驚愕した。すごく重い。そもそもまずアップルパイの箱がでかいしシュトーレンもよく見るもののふた回りくらい大きい。そして帰宅後いそいそ開けたアップルパイ、見てくださいこの断面。中身みっしり。重いのも納得。シナモンの香り強めの中身は甘みがくどくなく、果物のりんごを食べる感覚で大きな1ピースもぺろりと食べられる。パイはしっとりふわふわ、半生シャリシャリのりんごとよく合う。このアップルパイ、アメリカナイズな大きさでものすごく繊細な味の構成をしているのです。皆さん、これをもう一度食べたくて、あのご夫婦に会いたくて、長い列に並ぶのだなあ。かわいい袋でラッピングされたシュトーレンはもったいなくてまだ開封するのをためらっている。12月になったら、最初の一切れをいただこう。人も街も浮足立つ最後のひと月が今年もまたやってくる。

雑記230906

連続した台風6号7号に脅かされているうちに盆も終わってしまって、8月も終わりに近い週末、去年に引き続き再度佐渡に遊びに行った。今回は弾丸日帰りツアーということで、島全体を回ることは難しそうだったので、小木という地域を攻略することに。

佐渡観光の定番に、たらい舟体験と佐渡版「青の洞窟」と呼ばれる琴浦の洞窟群がある。ところがたらい舟体験や洞窟に行くモーターボートには予約がいるので、事前にきちんと予定を組んでいないとできないのです。あと天候にも左右されるし…等を考えると「他にも観光できるところがあるし、とりあえず今回はいいや」となってしまい、私はこれまで観光で2回、仕事で2回の計4回も佐渡に行っているのにどちらも体験したことがなかった。しかし今回は、一緒に行く友人たっての希望でたらい舟とモーターボートのどちらも体験することに。さらに他の友人の友人は近々小木に移住予定ということで、未来の地元民におすすめの観光情報をもらえて、日帰りだというのにレジャー方面では過去一いろいろ詰め込まれた旅行となった。持つべきものは行動力とコミュ力があり友人の多い友人である。早朝に出向するフェリーで直江津から出発し、小木港に着いたのが9時半。到着してから気付いたのだけど、この日は小木港祭りという地元の祭りが行われており、神輿や獅子舞とすれ違ったりできたのは楽しかったが、歩行者天国の通行止めで迂回させられたり港最寄りのガソリンスタンドが休業していたりしたのには参った。朝ご飯を食べようとしていた小洒落たカフェも、朝から祭のお客がたくさん来て材料がなくなったとのことで閉店。午前10時だぞ!? と入島から予期せぬトラブルに見舞われた関係で、かなり早めの昼ご飯に。定期的にtwitterでバズるお店の、リーズナブルなのに量と質がすごい海鮮丼。たしかにすごかった。ネタはどれも新鮮で、しかも量が多すぎてなかなかごはんまでたどり着かない。底の方に隠れていたネギトロおいしかったな~。プリプリの海鮮、生け簀から漂う磯の香り、すぐ横に青い海が見える座敷、夏休みに海の近くの祖父母の家に遊びに来ているような気持ちになった。海の近くに住んでいる祖父母いないけど。お昼からは海のアクティビティを体験しに再度小木港へ。受付を済ませてモーターボートで出発。モーターボート、初めて乗ったけれどけっこうスピード出るのですね。波しぶきを巻き上げドリフトする船上で、背もたれも手すりもない椅子に腰かけ足を踏ん張り耐える。出発してからしばらく、虫谷の入江に到着。実は昨年佐渡に来た際、行程の最後に入ったお寿司屋さんで、「虫谷の入江には行った?行ってない?じゃあ次に来たときは絶対に行って!人も少ないし穴場だから」と大将に激推しされたのがこの虫谷の入江だった。大将の言う通り、エメラルドグリーンの海が箱庭のような空間に静かにおさまっていた。海は澄んでいて、底が見えるところもあった。魚が群れで横切っていくのも見た。滞在したのはほんの数分だったのだけど、心落ち着く空間でした。虫谷の入江を後にして、次は琴浦洞窟へ。よくパンフレットや観光情報誌で見る「青の洞窟」だ。実際に行ってみると洞窟は思っていたよりも浅く、延長はモーターボート全体がすっぽり入るくらい。洞窟内では方向転換等ができないので、後退で入り前進で出ていくという感じだった。ここも虫谷の入江同様に海が本当にきれい。エメラルドグリーンの色が南の海みたい。モーターボート、すっごく楽しかったけれど滞在時間が短いのが少し残念だったので、機会があればシーカヤックのツアーでゆっくり遊びに来たいなあ。小木港到着後、たらい舟にも乗ってみる。結果、素人に操縦はムリ! 船頭のお姉さんたちは軽ーく操っているように見えるけれど、あの人たちは厳しい訓練を修了したプロなのである。カッコいい。あとは前回も行った万畳敷でウユニ塩湖みたいな写真を撮り、帰りの時間が迫ってきたので急いでレンタカーにガソリンを入れに行ってタイムリミット。お土産を選ぶ時間もギリギリ、最後はバタバタとフェリーに跳び乗った。万畳敷も時間があれば海の生き物を探したりして遊びたかったし、観光だけでなくアクティビティをするならなおさら、佐渡旅行はせめて一泊はしたい!というのが今回の旅の総括。ひとつひとつの要素は最高だった。ただ、時間が圧倒的に足りない! 帰りのフェリーで「次はいつ行く?」という話が出るほどなので、友人たちも消化不良だった様子。今度は寒ブリが有名な冬に行きたいねという話をした。冬の日本海の荒波でフェリーが運休しないことを祈る。

最後に、ぐねぐねの細い道を上ったり下ったりをくり返した先の僻地(住民の方ごめんなさい)に「タガヤス堂」というドーナツ屋さんがある。こちらのドーナツは、やさし~い甘さでなんだか懐かしい気持ちになる味。アイスコーヒーにもよく合う。けっこう訪れ難い場所にあると思うのだけれど、私たちの前にも後にもお客さんが絶えなかった。ドーナツがおいしいからか、プロモーション上手なのか。私も絶対また行きたいと思っている新規ファンなのですが、ちょうど昨日、冷凍ドーナツの通販を発見。いいな~!! ご注文いただいたらおおよそ一ヵ月以内に発送します、とのこと。この島時間っぽいゆったりさも良い。虜です。

雑記230804

7月の終わりに、大学時代の友人3人と年一回の旅行に行ってきた。今年の行先は、加賀。はじめは京都まで足を延ばそうとしていたところ、1泊以上は全員の予定が合わないのと計画している暇がないのとで、今回は近場の北陸の古都巡りと相成った。ちょうど前日に梅雨明けが発表されたこともあり、旅の間は始終、快晴だった(ただし刺すような日差しだったけれど)。

上越妙高から北陸新幹線はくたかに乗り込み、金沢駅へ。旅の始まりに鼓門をバックに写真を撮影し、加賀温泉郷に足を向ける。今回の旅行はレンタカーを借りたのだけれど、加賀までは大きなバイパスでつながっていたので、迷わずほぼ道なりに行けた。雪が降る地域は特に、主要な都市につながる広域道路が整備されているってとても重要なことだと思う。途中、躙口から入る和モダンな食事処TILEで宝石みたいな薬味海鮮丼を食べたり、久谷セラミック・ラボラトリーで隈研吾氏の建築を見学して九谷焼のいろはを教えてもらったりして、ちょっと早めに山代温泉へ。

今年は予定をあんまり詰めずに、宿でゆっくりしようの回でもあったので、ちょっと奮発して露天風呂付きの部屋にしたのです。温泉街にあるのに、草木の斜面に位置しているからか森の中に建っているようなお宿は旅館のようなスパのような?かつリゾートっぽさもあって俗世に疲れた三十路たちには眩しかった。日本庭園のようなお庭、開放的な露天風呂、目にも美味しい旬の食材を使った食事。あと、お宿では季節柄ナイトプールのイベントをやっていて、音楽に合わせて点滅するイルミネーションに照らされながらプールサイドでアイスを食べたりもして、その非日常感が煩雑な日常を一日だけ忘れさせてくれた。部屋付きの露天風呂は朝風呂で入った。蝉が鳴き出す前の、けれどどこか前日の暑さが残る早朝、ぬるめのお湯につかりすだれ越しに青い紅葉を眺めたあの時間もゆったりした。今回、仕事が立て込んでいてパッキングするのも前日の深夜というような有様だったので、楽しみ4割・面倒さ6割という出発だったのだけれど、行って良かった。こんな風にリフレッシュするために人は旅行に行くのだなあ、とあらためて実感した旅だった。

お宿があまりに良かったためにチェックアウトが時間ギリギリになってしまって、2日目は駆け足のスタート。山代温泉から山中温泉に移動し、鶴仙渓へ。この時期、鶴仙渓では川床にお茶の席が設けられていて、渓流のすぐそばでおいしいお茶と甘味がいただける。お茶の入ったポットは清流で冷やされていて、川床に降りただけで汗だくになった体にはキンと冷えたおいしさがうれしかった。

私たちの旅行は、毎回ひとつは何か作ったり体験したりしようということになっている。旅の最後、今回選んだのは輪島塗の沈金体験。行ったのは輪島方面ではなく加賀方面なのだけど、石川という大枠では当てはまるので許すことにする。沈金とは漆器の表面をノミなどで削り、その溝に漆を接着剤として金箔を沈めて模様を描き出す加飾の技法です。体験施設ゆのくにの森の講師の職人さんがとても気さくな方で、箸か匙かで迷い、色で迷い、絵柄で迷いに迷い、そしてすべて決まったとて最初のひと削りがなかなかできない私たちに「はよやれ」と喝を入れ、完成まで導き、手早く金を入れて「なかなかいいじゃん」と褒めてくれた。私が緑の箸に彫ったつたない線でも、金が沈むと途端にそれっぽく見えるから不思議だ。金の定着期間は1~2週間で、そのあとは普通に使ってかまわないとのこと。今使ってる箸が10年選手で愛着があり、でも作った箸も素敵で変えようかどうか迷っている。会社のお弁当用の箸にしようかな。このゆのくにの森の散策が予想外に楽しくて、最後は後ろ髪を引かれながら慌ただしく駅に向かう。時間に追われて結局、お土産は金沢駅で買おうということになったものの、着いてみると考えることは皆同じなのか駅のお土産処は激混み。声を張り上げ次々とお客をさばいていくプロの店員さんに助けられて、無事に帰りの新幹線には間に合いました。今回、みんな仕事と私生活が忙しく計画段階でかなり難航したのだけど、十分リフレッシュできたし満足度の高い旅となりました。ありがとう友人たち。ありがとう加賀。いつか能登も巡りたいね。来年は、十数年ぶりのディズニーリゾートの予定。いくつになってもみんな好きよね。

さて今回の旅で心に残ったのは、九谷焼の美しさ。食器としての使われ方だけではなく、和室の装飾品になったり花器になったり、宿泊した部屋は襖の取っ手も九谷焼だった。伝統的な模様なのに、現代の様式の中で飾っても浮かずにぴったり当てはまる。あと九谷焼というと色鮮やかな絵付けがされたものというイメージがあったのだけれど、現代の作家さんの作品はむしろシンプルで、釉薬のみ、もしくは単色で仕上げているものも多く、実際に日々の食事のなかでも使いやすそうで認識を改めさせられた。けれど私はやっぱり絵付け皿に惹かれる。宿泊したお宿のいたるところに飾ってあった皿は、一点ものというよりは一般的に流通しているものらしく、お土産屋さんでも購入できるものだったため、気に入ったものを一枚だけ購入した。旅先のお宿や食事処で、その地域の焼き物が素敵に使われていると自分でも日常に取り入れてみたくなる。そうやって、統一性がないけれど思い出の詰まった器の集まる食卓で毎日食事をするのが、私の小さな野望です。

雑記230628

6月の初めに、高校時代の友人Aの結婚式に出席してきた。式から披露宴まで親族中心の和やかな雰囲気だったので、友人の新婦とも初対面だった旦那さんともゆっくり話せて、本当に楽しくて幸せな式だった。帰り道、余韻がすごくてふわふわした。どんな友人の結婚式に出席しても、おめでとうの気持ちといっしょに「これから旦那さんとか子ども中心の生活になってしまうんだろうな、これまでみたいに会うこともなくなるかもな」という寂しさの気持ちが少なからずある。もちろん結婚後も子どもが生まれた後も変わらず付き合ってくれる友人もいる。そういう友人と話していると、今までお母さん元気?とか、妹さんと最近も連絡とってる?とかの世間話の延長線上に、旦那さん元気?も出てくるようになって、そこでようやく、ああ○○の旦那さんは○○の新しい家族になんだな、と腑に落ちる。何を当たり前のことを言っているんだ?と自分でも思うのだけど、だから私が友人の結婚を理解?納得?するのって、結婚式ではなくてそういう世間話の中であることが多いように思う。今回結婚したAは、式の前から旦那さんと同棲していて生活の話を聞いていたこともあり、もう半分くらい「家族」の認識だったために心穏やかに祝福できた。Aは真面目で勤勉な努力家で、かつ行動力も思いやりもある本当に出来たひとなので、旦那さんの隣がほっと一息つける場所であればいいなと思う。A、結婚おめでとう。また旅行やごはんに行ったときに話きかせてください。

雑記230531

すべりこみの5月投稿。もうほぼ1ヵ月前の話になるけれど、まだ5月ということでGWには触れておきたい。今年はコロナが蔓延してからはじめての特別な規制のないGWということで、たくさんのひとが帰省したり旅行に行ったり、人の移動の多い連休だったようだ。ところが私は世の風潮に逆流するようにのんべんだらりと過ごした日が例年以上に多かったように思う。それでも快晴の中日に一日くらいと思い立ち、ドライブがてら県内の端っこの方にある海産物の直売施設へ。しかしやはりGW。観光や買い物をしに行ったというより混雑を体験しに行ったような有様で、高速道路に入って10分で先の見えない渋滞にハマり(原因は事故だった)、高速道路を降りてからの直売所までの道も渋滞、直売所の駐車場に入るのに並び、浜焼きを買うのにまた並んだ。お昼も海鮮丼が食べられる食堂は20組以上待ちという状態だったので、青空の下でたらいに山盛りのカニに舌鼓を打つ人たちに交じって露店のカニご飯を食べた。まあ、やっぱり積極的に出歩きたい時期ではないなと再確認しつつ、「人を見に来た」感じがすごくGWっぽくて笑った。

あと、GWのあとの良く晴れた休日に、かつて一緒に働いていたバイトの仲間に会ってきた。というか、仕事中にお邪魔してきた。私が辞めて十数年、新しい人が増えて、それでもいまだに現役でやっている人もいた。ちょっと特殊な業種で、たぶん一般的なサービス業よりはバイト同士が親しくなりやすいし、いろんな年代の人たちでわいわいひとつのものを作り上げる雰囲気が好きな人は残っているのだと思う。あくまでバイトの身分なので、就職するのに一度は離れたけれど、仕事にも慣れて土日にバイトできる余裕ができたからと舞い戻ってきている人もいて、聞けば10年選手はザラとのことで純粋に感心した。人によっては、本当に魅力的な仕事なんだと思う。私も久々に彼らの仕事ぶりを見ることができて、会場の熱気を感じることができて楽しかったし、戻ってこないかと言ってもらえてうれしかった。かつては自分もあの輪の中にいたのだな。一昨日はある新人さんのデビュー戦だったらしい。高校一年生とのこと。ちょうど私が働き始めたのも同じ年の頃だった。いつまでも子どもみたいな大人たちにかわいがられながら、楽しく成長していってほしい。

今日の画像は仕事中に撮ったイヌワシらしき猛禽類。仕事でドローンを飛ばしていると、ときどき鳥に威嚇されることがある。小型の鳥やカラスであればすぐに攻撃してくるでもないしドローンの方が大きいので心配はないのだけれど、大型の猛禽類は怖い。羽を広げると2mにもなる巨体で、威嚇どころかまっすぐに向かってくる。最近、山間の現場で出会ったこの猛禽類も離陸させた途端に現れて、慌てて着陸させた後もしばらくはぐーるぐーると上空を旋回してこちらを監視していた。「いつでも撃墜できるぞ」とでも言いたげな様子だった。現地の人によると、絶滅危惧種イヌワシかもしれず、どうも近くに巣があるらしい。そりゃ威嚇もするわ。事態はナワバリを主張するイヌワシ?と機材総額数百万を守りながら業務を完遂したい人間との根比べとなり、イヌワシ?が巣に帰って落ち着いている隙を狙いコソコソと作業を終えて人間が勝ちを制した。しかし私たちは大きい猛禽が怖いけど、あちらからすれば見たことのない無機物がババババと音を立てながら飛んでいるのだから当たり前に怖いのだろうな。同じような現場が6月に2箇所控えている。不安しかない。