となりのしばふ

日々の記録と内省と

雑記220207

f:id:loupfnc4:20220207201152j:plainこの週末、近場の温浴施設で時々話す顔見知りのおばあちゃんが、とある山間部の集落出身だということをはじめて知った。県内でも特別に雪が多く、この冬も大雪警報が何度も出て、時々全国ニュースでも報道される地域だ。数十年前に嫁いできた今の住まいも雪が少ないとは言えないけれど、故郷に比べたらずいぶんマシらしく「雪はもうこりごり」と言って疲れた顔をして笑っていた。朝昼晩、家族総出でろくに休まず雪を掘り続け、やっと片付いたと思っても一晩寝れば元通り。それを冬の間中続ける。山間部は雪が降るのが早く、雪解けも遅いので一年のうちの3分の1はそういう暮らしをしていたという。嫌にもなるよね。

近頃の積雪の様子は一晩でドカッと降ってしばらく小康状態になり、忘れた頃にまたドカッと降る、といった感じで、道路の端に積み上げられた雪の壁は日々着実に高くなっている。今週はドカ雪が土日に重なったため、朝から黙々と雪を側溝に放り込み、濡れた衣服を乾かし体を温めているうちに眠ってしまって、起きたら夕方。思うところは多々あれど、「今日はよく体を動かしたなー!」ということにしている。

そこそこ積雪のある故郷の気候が、私は好きだ。田んぼが雪に覆われて果てのない雪原になって、その中に等間隔に鉄塔が並んでいる風景を眺めて育ったから。気温が氷点下まで下がった朝、きんと張りつめた空気を吸うと、胸の内の濁ったもやが霞んでいくような気がして気持ちがいい。だけど、雪のおかげでしなくて良い苦労をしているのもまた事実なんだ。「どこに住みたいか」は、「どんな暮らし方をしたいか」に直結する。

故郷の友人のひとりが神奈川に引っ越して2年経つ。彼女は向こうに行ってから始めたダイビングがすっかり趣味になり、ウツボウミウシや名前のわからない魚の大群の写真をよく見せてくれる。昨日は、一昨日撮ったばかりだという沈没船の写真を見せてもらった。ダイビングって冬でもできるのかと聞けば「スーツにも冬用のがあるし、冬はむしろ陸上より水中の方があったかいよ」とのこと。私、特別に脂肪が多いから寒くないのかも。そう言って豪快に笑った彼女のことが、すごく好きだなと思った。