となりのしばふ

日々の記録と内省と

雑記220131

f:id:loupfnc4:20220220093639j:plain冬季は現場作業がほぼないので、お昼ご飯は会社のデスクで食べている。メニューは毎日同じでおにぎりのみだったのだけど、最近ここに味噌汁を追加した。少し前に流行った味噌玉。味噌玉を溶いて作った味噌汁が案外家で飲む味噌汁と遜色ないんだということに気付いて以来、週末に味噌玉をまとめて作って冷凍し、毎日ひとつずつ持参している。即席味噌汁(あさ〇とかゆう〇)も好きなのだけど、自作の味噌玉はアレンジが簡単にできるので楽しい。味の素さんのほ〇だしにはプレーンタイプに加えていりこと昆布があって、だしの種類を変えるだけで風味が全然違う。最近は近所のスーパーでもいろんな産地の味噌を取り揃えているので、味噌ひとつ選ぶにもとても迷う。今は、地元味噌蔵の合わせ味噌に正月の残りの白みそを混ぜて使っている。合わせ味噌だけよりも口当たりがまろやか(な気がする)。今までお昼休みもおにぎり片手に図面を見たりメールの返信をしたりすることがあったのだけど、味噌汁を飲むようになってからそれが格段に減った。仕事と仕事の間にほっと一息つくのに、私にはあったかい味噌汁が合っていたみたい。こういう時間があって、はじめて見えてくるものもあるんだよな。

 

沼田まほかる彼女がその名を知らない鳥たち」読了。全編を通して嫌悪感がすごい。まっとうな登場人物がひとりもいない。これは特定の人に共感するとかではなくて、ものすごく普通でない人たちのなかにたった一片ある尊さを描き出した物語であるような気がした。その尊さ自体も角度を変えれば他人を傷つける執着なんだけど。「彼女がその名を知らない鳥たち」という印象的なタイトル。作中に散りばめられたカラスの描写と、終盤の十和子の「なぜいつもカラスしかいないのだろう? カラスではない鳥たちはみんな、どこへ行ってしまったのか?」という独白。ずる賢く不吉の象徴であるカラスには、スマートなビジネスマンを装っていた黒崎と水島の姿が被る。陣治の一挙手一投足を嫌悪して気味悪く思っていた十和子は、陣治もカラスととらえていただろうけど、十和子の周りの男の中で陣治だけはカラスではなかったのではないかなあ。彼女がその名を知らない鳥(=知ろうとしない鳥)は、陣治を筆頭に姉のリンちゃんやその旦那さんたち彼女を守ろうとする人たちのことで、十和子自身が顔を上げればすぐ近くにいたことに気が付いたのではないかと思った。

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