となりのしばふ

日々の記録と内省と

雑記220816

昔から盆を過ぎると暑さが和らいで海にはクラゲが出ると言うけれど、近年は暑さが和らぐこともなく9月末とか下手をすれば10月中旬くらいまでずっと暑い。盆明けの今日、クラゲは出ているかわからないけど、県内には線状降水帯がかかるとのことで昼過ぎからバシャバシャ雨が降っている。災害が起こらないといいなあ。戦争でも災害でも、突然だれかの暮らしが壊れてしまうのは悲しいと思う。

毎年、盆は帰省してくる家族もいないので普段の休日と変わらずに過ごす。とはいえ、ニュースをつければ帰省ラッシュ!前の車は県外ナンバー!スーパーに行けばオードブルに寿司!と世間からの『盆』の圧を浴びて、自炊をサボって外食したり買ってきたお惣菜飯が増えたりはする。そんなダラけた気持ちに喝を入れて、盆休み最終日にはトウモロコシの天ぷらを揚げた。衣は薄くサクッと軽く、でもバラけない、の加減が難しい。全部同じくらいの丸にしたかったのにどうしてもまとまらずにくずれてしまい、最終的にバットの上はいびつな日本地図みたいになった。小さいのは四国、ちょっと焦げたのは九州。北海道も佐渡島も、みんな一緒に塩と青のりをふっていただきました。

盆が終わると夏休みも終わりが見え始める。私の住んでいる町は盆の一週間後くらいに祭があって、それが終わると毎年絶望的な気持ちになっていた。小学校低学年の頃はふとした瞬間に「来週の今頃はもう学校にいるんだな」とくり返し思い詰めてはさめざめと泣くほどだったので、けっこう重症だったと思う。別に学校に友達がいなかったわけでもいじめられていたわけでもない。学校に行くのが嫌なのではなく、夏休みが終わるのが嫌だった。夏休みって本当にキラキラしていた。家で祖母と高校野球が見られるし、同じく夏休みのダイスケくんは遊んでくれるし、関東から親戚が来たり年の離れた姉が東京から帰ってくるのもうれしかった。枝豆やスイカを食べながら打上花火を見たり、兄妹そろいの法被でお祭りに出て、太鼓を叩いているダイスケくんの後ろで鉦を鳴らすのも楽しかった。家族が帰ってきたり家に誰かしらが居てかまってくれるのは同じでも、冬休みとは全然違う、ワーっと叫んで走り出したくなるようなエネルギーが夏休みにはあった。7月25日に集約されていたあの目が眩むようなワクワクを味わうことってもう一生ないんじゃないかと思う。大人になって考えることが増えて、全部全部を無責任に楽しむことができなくなってしまったから。夏休みというと数日の盆休みを示すようになって久しいけれど、毎年この時期になるとあのさみしさを思い出して理由のない焦燥感に駆られる。幻肢痛みたいなもので、この感覚も一生なくならないんじゃないかと思う。