となりのしばふ

日々の記録と内省と

雑記221116

先週末、高校時代の友人ふたりと一泊二日で佐渡島に行ってきた。帰路で雨に降られたけれども、概ねお天気も良く、気候も穏やかで紅葉真っ只中!という「日頃の行いが良かったのかな?」と考えてしまうような絶好の旅日和でした。

一日目はゆっくり出発したので、島に着いたのが16時。傾く夕日をレンタカーで追いかけながら小木までどんどこ走り、見たのが万畳敷のこの景色。

残念ながら夕日は海に落ちていたけれど、空にはまだ夕日の色が残り、夜の色と混じっている。本当にきれいでした。足元が夕闇に沈むなか、スマホのライトで岩の窪みを照らして「魚いる!!」「どこ!?」とかやっていた時間も楽しかった。

3人とも生まれも育ちも県内なのに、世界遺産暫定リスト入りの佐渡金山を見たことがないことを「よくないね」「よくないよ」と言い合い、二日目は金山遺構の散策と、大佐渡スカイラインからの紅葉鑑賞。大きな山がV字型に割れている道遊の割戸、坑夫たちが金の鉱脈を追って掘り進んでいくうちにこんな形になってしまったらしい。

坑道内にはひと一人が腹這いになってようやく進める穴とか、家のない坑夫が寝る穴とかがあって、現代だと明らかに労働基準法違反という展示が山ほどあってなんだかつらくなった。でも手掘りからだんだんトロッコや採掘機械が取り入れられて、明治・大正・昭和にかけて発達していって……という変遷がわかって楽しかったので歴史好きのひとにはぜひ訪問してほしいな。友人のひとりが「世界遺産になるならないってときには「こんな良い場所があったのか、世界遺産になってほしい!」って評価されるのに、世界遺産になった途端に「世界遺産ってこんなもんか」って思われる施設が多いから佐渡金山は今の状態が一番いいよ」って言っていた。真理だね。

二日目午後になって降り出した雨は15時ごろには暴風雨になったけれど、ジェットフォイルは荒れる海を飛ぶように海を越えた。とてもよかったです佐渡島。景色が良く、牧歌的でごはんがおいしい。海鮮最高。そして島全体が観光地っぽいからか、佐渡島のみなさん、明るくてとても人当たりが良い。宿の仲居さん、食事処やお土産屋の店員さん、よくしゃべるしゃべる。旅の最後の最後に入ったお寿司屋の店長さんもメニューにはないオススメや魚の豆知識を惜しみなく披露してくれた。この店長さんが言うには「虫谷の入江」という場所の海がきれいらしい。観光情報誌にも載っていない穴場だそうだ。ここは次回にとっておこう。

友人のひとりは東京で記者としてバリバリに働いている子で「忙しすぎてこの旅行もキャンセルしようか迷いに迷った」と、初日に船の上で死にそうな顔をしていた。けれど、自然の中を歩き、きれいな景色を見て、刺身を食べて酒を飲み温泉につかって、帰るころには「来てよかった。休息って大事なんだね」と言って明るい顔を見せてくれた。今回いっしょに旅した友人たち、ひとりは今年結婚し、もうひとりは転職に成功し今月中には入籍予定とのことで、おめでたいこと続きでうれしい。高校3年間は1年ごとにクラス替えがあり、それなりにたくさんの人と知り合ったものの、この歳になって付き合いがあるのはこのふたりも含めた部活の仲間だけになった。ふたりとの縁はこれからも続いていくのだと思う。ただ、子どもができたら、しばらくは帰省の度に会ったり、今回のようにいっしょに旅行してくれたりすることはなくなっちゃうのかもしれない。そう思うとさびしいような気がする。けれど、たとえば子育てが落ち着いた20年後になっても「久々に旅行に行こう」と言い合える関係を、ずっと続けていきたいと思う。

あともうひとつ。この旅を通して気軽に一人旅っていうのもいいなあと考えるようになった。前から、各地を回って御朱印を集めたかったのです。しかも、今回の旅で船に乗ったら、御船印というのがあるのも知った。これがまた各地の船のそれぞれに特色があってみんなかわいい! たくさん集めると一等航海士や船長に任命されるおもしろ制度もある。目指すか、一等航海士! 日常生活って暮らしている範囲で過不足はないのだけど、友人の言葉通り、見たことのない景色を見たり、おいしいものを食べたり、知らない人に会ったりするのは大事なことだ。旅先に瀬戸内を激推しされたので、来年は瀬戸内に行ってみたいな。秋ごろかな。